道具を自作する工人だからこそ形にできる小ささとかわいらしさ

  • 2025年03月号(Vol.43)
  • 宮城で作られた"もの"(HOT!PRODUCT)
  • 工業

玩愚庵こけし屋

仙台こけし(作並系)工人 鈴木 明さん

こけし工人の確かな技と発想の転換によって生まれた小さなこけしは、これまでの伝統こけしにはなかった斬新なデザインが魅力。国内外を問わず、コンスタントに登場する新作を心待ちにするファンが増えています。

日々の小さな「ワクワク」を表現した「かわいいこけし」

「かわいいこけし」は、伝統こけしブームを再び盛り上げようという鈴木さんの思いから生まれました。仙台こけしと同じ技法と材料を使い、現代のライフスタイルにフィットするデザインとサイズが特徴です。季節の行事や旬の果物、カフェメニューにあるようなスイーツなどを題材にしたことで、多くの人々の心をつかんでいます。

材料のミズキやイタヤカエデから、必要な大きさに削り出した木をろくろにセット。木に刃物を当てて、頭の中のデザイン案通りに手際よく削っていきます。回転を利用して胴体に色鮮やかなラインを引いて仕上げるまで、作業はリズミカルに進みます。絵付け体験のお客さまとの対話から、デザインのヒントをいただくことも多いそうです。

道具も自作する工人だからこそ、「かわいいこけし」専用の道具も自作。絵付け用の筆の太さの調整から、木を削る刃物も自ら鍛冶(かじ)をして先端を小さく仕上げて使用しています。

玩愚庵 こけし屋

住所宮城県仙台市太白区秋保町湯元字上原54-20
電話番号022-398-2673
Instagram@sendai_kokeshi