宮城の名工 仙台市 千寿和裁有限会社 代表取締役 千坂 寿光さん

  • 2025年03月号(Vol.43)
  • 宮城の産業を支える宮城の名工
  • 工業

16歳から和裁の世界に入り、5年間、師匠のもとで同じ志を持つ仲間とともに和裁の技術を習得した。その後、祖父が興した千寿和裁㈱に入社。技術を高めて独立を果たしたが、2021年、千寿和裁の経営を任されることになり、現在4代目として活躍中。

和裁業界の第一人者として、襦袢から着物、袴まで仕立てられる技能を有していること、また、神楽衣装や袈裟など、前例のない特殊なものの仕立も多数行っており、ムダが出ないように裁断し、和裁の技術を取り入れて、より着やすく美しく仕立てる技術が高く評価されました。また、ものづくりマイスターとして和服仕立技能の周知のために各種イベントに参加し、ものづくりの大切さを伝えている点が認められました。

2012仙台市技能職団体連絡協議会優秀技能者表彰
2013宮城県青年技能者表彰
2017全国和裁技能士会会長表彰
2021千寿和裁㈲ 代表取締役就任
2023宮城県和裁技能士会表彰 宮城県卓越技能者(宮城の名工)表彰

ご注文に込められた想いを大切に着物をつくる技術と文化を継承

宮城の名工に選んでいただき、大変光栄です。生活スタイルが変化する中で、着物を着る場面は減少しています。しかし「夏祭りにゆかたで出かけましょう」とか、「譲り受けた着物を自分のサイズに直して着たい」という方も確実に増えています。その想いに応え、和裁の技術を継承するためにも、ご注文はお断りせず、そして従来の仕立て方にこだわらず、ご要望をかなえるよう努めています。

特殊な要望にも気概と技術で応え着物のよさを周知する活動にも注力

着物の仕立てはもちろん、「お祭りの後継者に新しく衣装をつくってほしい」といった和裁の領域を超えたご依頼でも、そこに「想い」がこめられた仕事には、やはりやりがいを感じます。難しいことにも果敢に挑みながら、今後も一針一針大切に仕立てていきたいです。また学生さん向けのゆかたの仕立て教室を開催するなどして、着物のよさを感じてもらえる機会を増やしたいと思っています。

千寿和裁有限会社

1939年の創業から、着装の変化と着物のあり方を見つめてきました。先人から受け継がれてきた豊富な技術と知識を用い、手間暇をかけて、着物に携わるすべての方々に愛情と責任をもって仕事をしている会社です。

住所宮城県仙台市若林区南小泉字八軒小路28
電話番号022-266-4631